少年ジャンプ+でSPY×FAMILYと1,2を争う人気漫画の【地獄楽】
作者の賀来ゆうじさんはデビュー作の読み切り作品【おもいで税関】で第14回SQコミックグランプリ佳作を受賞
なんとつるの剛士さんの従兄弟だそうです
地獄楽は2019年全国書店員が選んだおすすめコミック4位になり、6巻発売時点で100万部を突破しています
無料で読めるのにここまで売れるのはそれほど面白いからです!
単行本は現在9巻まで発売中
地獄楽 山田浅右衛門とは?
罪人を処刑する際に用いられる方法は様々ある
打ち首、火刑、牛裂き、釜揚げ等、普通の人間ならどれも耐えられるはずもなく、苦しみ死に至る
しかし、中には人の域を超えた罪人がいます
普通の方法じゃ処刑できない罪人のために存在するのが【山田浅右衛門】です
打ち首は本来高度な技術であり、頑丈な頸椎や十を超える筋肉が邪魔をして一刀では両断できないものだそうです
大抵は何度も何度も叩き切る
卓越した剣技を求められる打ち首を極めたのが山田浅右衛門
中には傘をさして片手で斬首するものもいれば、皮一枚を残せるものもいるという
そんな刀剣の達人が集まる山田浅右衛門は実在していました
そこで、史実での山田浅右衛門を調べてみました
実在した山田浅右衛門
山田浅右衛門とは江戸時代から明治にかけて実在した死刑執行人でです
明治13年に斬首刑が絞首刑へ変わるまでの間、罪人の首を何万、何十万と切ってきた一家です
職業は御様御用(おためしごよう)
山田家の本来の職業は将軍等の偉い人に献上する刀の切れ味を試すという刀剣鑑定士という仕事でした
刀の鑑定をいかにシビアに行うのか…
実際に切るのが一番だとされた
人間の死体を重ね、どれほど切れるのかを試していたのです
二体切れば『二ツ銅』三つ切れば『三ツ銅』とされます
最高で7体の死体を重ね、一刀で両断できたそうです
本来は武士が行う斬首刑を山田浅右衛門は腕を買われ、代行することになります
次第に死刑専門としての地位が確立されていく
山田浅右衛門は浪人扱い?
御様御用という役目は腰物奉行の支配下にあった幕府の役目なのに、山田浅右衛門は旗本や御家人ではなく『浪人』でした
現代で言うフリーターですね
なぜ浪人なのかは諸説ありますが『斬首以外での収入が難しくなるから』『吉宗に幕臣になることを申し出るチャンスを逃した』『家系全員の腕が良いわけではなく、技術のあるものがいる時だけ臨時として浪人にとどまった』
など、色んな説があります
それにしても、フリーターが斬首を行うなんて、それほど腕が立つ職員がゴロゴロいたのでしょう…
御様御用以外にも
「山田浅右衛門」。江戸時代に刀剣の試し斬り役を務めた山田家の当主が代々名乗った名称です。死体を主な収入源とし、斬首した罪人の死体から採取した肝臓を吊るして乾燥させ「人胆丸」という薬として販売し、大名に匹敵する財力を築きました。書肆ゲンシシャではカニバリズムの歴史書を扱っています。 pic.twitter.com/l783NxytWO
— 書肆ゲンシシャ/幻視者の集い (@Book_Genshisha) November 26, 2019
山田浅右衛門はフリーターですので、収入がない
しかし、彼らはたいへん裕福な暮らしをしています
その収入はどこからきているのか…
代行で行っていた首切りの収入はさほどのものではなかったでしょう
山田浅右衛門は自分達で多くの収入源があり、3万~4万石の大名とさほど変わらない金持ちだったとか…
その収入はどこからきているのでしょうか?
死体の売買
山田浅右衛門の最大の収入源となるのが死体の売買です
死体がなぜ売れるの?と思います
江戸時代で刀の切れ味を試すのは人間で試すのが一番という常識がありました
実際山田浅右衛門も処刑された罪人の死体で試し切りしています
試し切りの依頼をされる数と罪人の死体の数が合わないため、縫い直して一つの死体を何度も斬っていたのだとか…
山田浅右衛門に依頼せずに武士が山田浅右衛門が拝領していた死体を買い取り、自身の刀を試し切りしていたそうです
刀の鑑定
<懐宝剣尺(かいほうけんしゃく)>江戸時代の、刀を切れ味の良さで格付けした本。刀工ごとに最上大業物、大業物、良業物、業物の四段階で評価している。山田浅右衛門と須藤五太夫が試し切りした成績を門人がまとめ、拓植方理が編集。 pic.twitter.com/gE4YrC49BB
— 日本刀♥LOVE (@nihonnoto2) April 6, 2020
試し切りの経験が豊富な山田浅右衛門は刀の鑑定を行い、刀剣の位列もしていた
依頼された刀を鑑定し、手数料を貰っていたが、後に礼金へと変わり、諸侯、旗本、庶民の愛刀家から多くの依頼を受けていたとか
厚い信頼を持たれている山田浅右衛門でした
となると人脈もからり広がっていき、その人脈を活かして刀剣を購入する際の世辞も行っていました
薬を作っていた
薬用の石や虫も展示してあるけど、紫河車(胎盤)もあった。薬用ヒトは現代人には抵抗あるかも。昔は試し切り役の山田浅右衛門の家で死体を薬にして売ってたくらいだけどね。それが人胆→仁丹。 http://t.co/vilEXcaN
— 坂本大三郎 (@daizabu3) November 8, 2011
死体を多く扱う山田浅右衛門は人間の臓器を原料として薬を作っていた
肝臓、脳、胆のう、胆汁らで死の病である肺結核(当時は労咳と呼ばれていた)に効くといわれる丸薬を作っていた
山田丸、浅右衛門丸、人丹丸、仁担、浅山丸という名で販売され、大きな収入を得ていた
【地獄楽】では試一刀流八位・不知が人体の解剖や、薬を扱っています
遊女に指を売っていた
日本の歴史において「違反したものは、男なら斬首、女なら指切り」と定められていました
そんな歴史から遊女が「特別」だとする相手に小指を与えるという風習があた
これは今の『指切りげんまん』の元です
女性の小指は死と相応の価値があり、山田浅右衛門が遊女に小指を売っていたのです
偽の愛で客を引き込む一つの手段だったのかもしれません
山田浅右衛門の逸話
首を切る者の数をあらかじめ聞いておき、その人数分蝋燭をあげていく
一つ首を落とす度に蝋燭が消え、全ての蝋燭が消えるとお役目が済んだという
山田家にいかにも悪人の人相をした男が「金を貸してくれ」と要求してきた
断ったが、その男は「俺の胆を買ってくれ。どうせあんたに首を切られるからその前金だ」と不気味な笑みを浮かべて言ったという
歴代山田浅右衛門
- 初代山田浅右衛門・貞武(1657年~1716年)
- 2代目山田浅右衛門・吉時(~1744)事実上の初代、地獄楽の吉次は2代目がモデルではないかとされている
- 3代目山田浅右衛門・吉継(1705年~1770年)
- 4代目山田浅右衛門・吉寛(1736年~1786年)
- 5代目山田浅右衛門・吉陸(1767年~1823年)後に山田朝衛門と名乗ったため、以降は朝衛門になる
- 6代目山田朝右衛門・吉昌(1787年~1852年)
- 7代目山田朝右衛門・吉利(1813年~1884年)吉田松陰、橋本左内、頼三樹三郎ら、安政の大獄の犠牲者を処刑
- 8代目山田朝右衛門・吉豊(1839年~1882年)
- 9代目・山田吉亮(1854年~1911年)大久保利通の暗殺犯島田一郎や高橋お伝を処刑
東京豊島区の祥雲寺にある8代山田浅右衛門吉豊の墓所。山田家は「御様(おためし)御用」(試刀家)、罪人の首切役として著名。刑死体から採取した臓器で漢方薬を製造販売する独占権をもった。小指も遊女が馴染みに贈る「心中立て」として重要な商品。 pic.twitter.com/sx9w92GW0O
— 江戸文化歴史検定 (@edoken_jp) May 19, 2015
山田浅右衛門の作品
- 【首切り朝】小池一夫、小島剛夕
三代目山田浅右衛門である山田浅右衛門・吉継がモデルとなった作品
首切り朝と呼ばれた処刑人の人間模様が描かれている
【SUN-山田浅右衛門ー】津寺里可子
四代目山田浅右衛門・吉寛をモデルとした作品
人を斬るという辛い仕事に体を病んでいく心優しい吉寛の人情あふれる生き様を描いた漫画
- 【鬼を斬る 山田浅右衛門涅槃斬り】鳥羽亮
山田浅右衛門へ婿入りした男が吉利として山田流試刀術を継ぐこととなる
吉利が真の七代目山田浅右衛門になるまでを描く作品
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